祖父の金日成、父の金正日、そして金正恩氏へと3代にわたり世襲されてきた王朝国家の目的は、その体制を永続させることにある。核武装したと言っても、アメリカと進んで対決すれば破滅は避けられない。ということはやはり、北朝鮮の核兵器は外部の敵から自らを守るための『防壁』なのだ。 北朝鮮が目指す「普通の国」 そして、金正恩氏はその『防壁』に守られながら、あることを成し遂げたいという『野心』を抱いている。その『野心』とはズバリ言って、北朝鮮を『普通の国』にすることだ。 ただし『普通の国』と言っても、日本を基準にイメージしてはいけない。金正恩氏と、彼の独裁体制を支えるエリートたちには『独特の世界観』があるからだ。その世界観とはどのようなものか。彼らが思い描く『普通の国』とはどういうものか。以下、北朝鮮の現在を読み解きながら、そのイメージに迫ってみたい。 北朝鮮は、正式名称を朝鮮民主主義人民共和国という。面