アメリカで、CO2をめぐる「炭素ビジネス」が盛り上がりを見せ、世界でも「炭素クレジット市場」が急拡大しています。発生したCO2を回収して再利用・販売するビール工場と、CO2の削減分を販売して新たな収入を得た農家を、アメリカで取材しました。 アメリカ・コロラド州デンバーにある、クラフトビール工場直営のバーを訪ねました。 グラスに生ビールが注がれます。この時、圧力を加えるために必要なのが二酸化炭素(CO2)です。ビール製造会社の共同オーナーは建物の外に置かれた銀色のタンクを指さしながら「これは私たちの工場から回収されたものです」と言います。 工場では、タンクでビールが作られていますが、発酵させる段階で多くのCO2を発生させています。そこでこの工場では、地球温暖化の原因となるCO2を大気中に出さず、液化して回収する装置を導入。バーでビールを注いだり、工場で缶や樽に詰めたりする工程で再利用していま