激流と滝に遡行を阻まれ側壁に取り付いたのは夕刻5時廻っていました。しょっぱい岩壁を70m位登攀し、潅木帯に辿り着きましたが、いくら登っても斜度は60度以上あります。真っ暗になってしまい、空中ビバークとなりました。 腰掛けるスペースは20cm位しかなく、足ぶらぶら状態です。泳いで濡れた衣服を着替えましたが、ハーネスは外せないので不快でした。
飯豊山の胎内川東股は非常に困難でした。 下流部の浦島と呼ばれる悪場はそれ程でもなかったのですが、アブの大群との戦いでかなり消耗しました。 東股に入ると極端なゴルジュで泳ぎ登る事が不可能な滝が多く、その高巻は困難を極めます。側壁の登攀も50m以上の高さがありますが、それ以上に60度以上ある潅木帯が厄介です。潅木は雪の重さで下向きに生えていて、腕力での木登りを強いられます。人の気配を全く感じない、それどころか獣の気配すらない潅木帯をさまよいます。常に木にしがみついていないと落ちてしまいます。 1つの滝を高巻くのに5時間以上を要し、谷に下りるのにも40mを超える懸垂下降です。大まき高巻きと水泳、登攀で時間を費やし、木に体を縛り付けてのビバークを強いられました。 三日目、本源沢出会いで立ちふさがったのは谷を埋める雪渓でした。 八月上旬はこの沢には季節が早すぎたようで、雪渓は突破不能に見えます。支流
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