宮沢賢治によだかの星という童話があります。 「よだかは、実にみにくい鳥です。」から始まるこの童話のあらすじを少し紹介させて下さい。*1 顔は味噌をつけたようなまだら、くちばしは平たく耳までさけて足はよぼよぼの「実にみにくい鳥」であるよだかは、鳥の仲間の面汚しと呼ばれて生きています。なかでも一層よだかを目の敵にしている鳥がいます。鷹です。よだかのような醜い鳥が同じ「鷹」の名前を持つことが我慢ならない鷹は、よだかの顔を見るたびに名前をあらためろと因縁をつけます。 「おい。居るかい。まだお前は名前をかえないのか。ずいぶんお前も恥知らずだな。お前とおれでは、よっぽど人格がちがうんだよ。たとえばおれは、青いそらをどこまででも飛んで行く。おまえは、曇ってうすぐらい日か、夜でなくちゃ、出て来ない。それから、おれのくちばしやつめを見ろ。そして、よくお前のとくらべて見るがいい。」 「鷹さん。それはあんまり無