『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を手掛ける映画監督・押井守が、SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』からアカデミー受賞作『シェイプ・オブ・ウォーター』までの50(+1)本の映画を語り尽くした書籍『押井守の映画50年50本』を刊行した。 その刊行を記念して、2019年の1本として、押井監督に『1917 命をかけた伝令』の魅力を語っていただいた。『パラサイト 半地下の家族』と賞レースを競い合った本作を押井監督はどう読み解いたのか? 映画のスケール感を堪能した ──本作は、『007 スカイフォール』(12)のサム・メンデス監督作品です。 押井 彼の作品は、ほとんど見ているんじゃないかな。トム・ハンクスとポール・ニューマンが共演したマフィア映画『ロード・トゥ・パーディション』(02)も見たことがあるし、湾岸戦争の海兵隊員の日常を描いた