ここ最近、新幹線に乗って出張する機会が増えた。 スピードの速さだけでなく、ほとんど遅れることのない定時運航率の高さには、いつ乗っても驚かされる。またそれを、最大5分に一本という間隔で実現していることは、鉄道に携わるすべての人たちの努力の結晶である。 わたしの場合、列車で電子機器を操作していると、高確率で気分が悪くなるので、車窓からの景色を眺めていることが多い。豊かな自然を目にしながら過ごす時間は、朝の6時半でなければ、実に快適な一時だ。 旅の時間は長いようで短い。やらなければならないことは沢山あるのだけれど、この列車に乗ると、ある事件のことを思い出し、考えに耽ってしまうことが多い。 俗に、JR東海認知症訴訟と呼ばれる裁判だ。 JR東海認知症訴訟 その裁判は、ひとつの不幸な事故をきっかけとして始まった。 2007年12月7日午後5時45分頃、愛知県大府市のJR東海道線共和駅にて、ひとりの男性