ブックマーク / blog.tatsuru.com (4)

  • 民主政の終わり - 内田樹の研究室

    都知事選の翌日にニッポンドットコムという媒体からインタビューを受けた。以下はその記事に少しリタッチしたもの。 今回の都知事選では、選挙は民主主義の根幹を為す営みであるという認識がかなり深刻な崩れ方をしているという印象を受けた。選挙というのは有権者が自分たちの立場を代表する代議員を選ぶ貴重な機会であるという認識が日からは失われつつあるようだ。 投票する人たちは「自分たちに利益をもたらす政策を実現してくれる人」を選ぶのではなく、「自分と同じ部族の属する人」に投票しているように私には見えた。自分と「ケミストリー」が似ている人間であるなら、その幼児性や性格の歪みも「込み」で受け入れようとしている。だから、仮に投票の結果、自分の生活が苦しくなっても、世の中がより住みにくくなっても、それは「自分の属する部族」が政治権力を行使したことの帰結だから、別に文句はない。 自分自身にとってこの社会がより住みよ

    shior718
    shior718 2024/07/12
  • 『アメリカは内戦に向かうのか』バーバラ・F.ウォルター - 内田樹の研究室

    原題はHow civil wars start 「どのようにして内戦は始まるのか」。アメリカのことだけを論じているわけではない。「内戦論」である。さまざまな国におけるこれまでの内戦を統計的に分析して、どういう条件が整うと内戦が始まるのかを解説する。 これまでの世界各地の内戦を分析する箇所での筆致は学術的で抑制的である。しかし、ひとたび話題がアメリカに及ぶと、文体がいささか感情的になってくる。学術的な書き物の場合、筆者が個人的な恐怖や不安をあらわにすることはふつうしない。個人的感情を抑えて論文は書かれなければならないと大学院では教える。もちろん筆者ウォルターも大学教師だから、そういうルールは熟知しているはずである。でも、内戦の切迫が彼女の自制心を乱している。「アメリカにおける第二の南北戦争勃発の危険性に危機感を募らせるようになった」(21頁)からである。 でも、私はそのことをこの書物の瑕疵だ

    shior718
    shior718 2023/04/01
  • ある共産党員への手紙 - 内田樹の研究室

    共産党員で、私のの愛読者でもあるというSさんという方から手紙を頂いた。松竹伸幸さんの「共産党党首公選」をめぐる論争で私が松竹さんの行動を支持していることについてである。共産党の党規約はよくできていて、党運営も民主的であるのだから、松竹さんは「意見があるなら、党内でドンドン発言しなさい」という『しんぶん赤旗』の読者投書を引いて、私の行動をやんわりと批判するものだった。それに対してこんな返信をした。 Sさま はじめまして、内田樹です。 お手紙と投書拝見しました。ご指摘ありがとうございます。 松竹さんの件については、実は僕も困惑しています。 僕は非党員ですから、共産党の党規約というものがどんなものだか知りません。共産党の党内民主主義の実相についても存じ上げません。 松竹さんは現役の共産党員であり、長く党中枢にいた人で、僕が実際に存じ上げて、人間を信頼している方ですので、その方から「党首や党幹部

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    shior718 2023/03/29
  • 共感にあらがえ - 内田樹の研究室

    はじめて永井陽右君に会ったのは朝日新聞のデジタル版での対談だった。もう3、4年前だと思う。ひさしぶりに「青年」というものに出会った気がした。デジタル版だったので1時間半くらいの対談内容がそのまま掲載された。それを再録しておく。 永井:私は仕事としてテロ組織から降参した人のケアや社会復帰の支援などをやってきました。しかし、国際支援の分野での対象者や対象地に関する偏りがどうも気になっていて。難民だとか子どもだとかそういう問題になると情動的な共感が生まれるのに対して、「大人で元テロリストで人殺しちゃいました」とかだと、それがまるで真逆になる。抱えている問題が同じだとしても、「なんでそいつまだ生きてるんですか?」て話になってしまう。そこが問題意識としてもともとありました。 今の日社会をみると、共感がすごくもてはやされていて、その状況に違和感を持っています。ただ同時に、「共感」の欠点を自分のなかで

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    shior718 2022/08/14
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