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小説に関するshirai-satoruのブックマーク (2)

  • 赤い人 - 情報考学 Passion For The Future

    ・赤い人 最近はまっている作家 吉村昭。これも得意のドキュメンタリ小説。 明治14年、北海道の石狩川上流の未開の地に、重罪人や政治犯を収容する大規模な集治監(現在の刑務所)の設置を政府が決定した。そこは冬期は積雪で町との交通が閉ざされる極寒の地。建設には40名の屈強な囚人が選ばれて、到着まで何も知らされないまま、過酷な現場に投入された。 自らを監禁する牢屋の建設を命がけでやらされる囚人たち。人権を無視した厳しい労働と規則。満足な料も衣服も与えられず、冬期になると極寒による凍傷で手足をなくすもの、栄養不足で死ぬものが続出する。当然のことながら、囚人たちは殺気立ち、看守を殺傷したり、脱獄を試みるものも現われる。 当時の囚人に人権などなかった。不可能な逃亡の末に捕まれば、厳しい制裁が加えられ、その後も鉄の重りを足につけられた。抵抗すればその場で切り刻まれて、晒しものにされた。実は看守たちも必死

  • 『I’m sorry, mama.』桐野夏生(集英社文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「「唐突」な恐怖」 今夏一時帰国したときにお誘いを受けて、紀伊國屋サザンシアターで、福岡伸一と斉藤環の対談を聞く機会があった。どちらも旬で活躍している人達なので、大変に興味深かったのだが、その中で斉藤環が桐野夏生を高く評価しているのに気づいた。名前は知っていたが、彼女の作品は今まで読んだことはなかったので、今回手にとってみた。 『リアルワールド』と『I’m sorry, mama.』の2冊を読んだが、後者を紹介したい。アイ子という、とんでもない悪女の物語である。桐野夏生の作品の特色は「唐突さ」だ。特に最初は全く予期しない出来事が起こる。冒頭に登場する保育士の美佐江と、彼女が担当する園児であった稔が、25歳違いにも拘らず結婚しているのは、珍しいことであれ唐突ではない。 しかし、彼らが結婚二十周年記念に焼肉屋で事をし、そこで働いているアイ子に偶然出会う。アイ子は美佐江の

    『I’m sorry, mama.』桐野夏生(集英社文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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