□□□の新作『CD』のテーマはズバリ「文字と言葉」。しかし、本作の内容を「文字と言葉」だけで説明することは実に難しい。例えば、本作のキー曲となっているオープニングの“はじまり”は、ステレオのLとRに配置された独立した単語が徐々に中央で組み合わさることで意味を成していくし、アイデアは以前からあり、本作でやっと完成したという“あたらしいたましい”は、男女のデュエットから文字を抜き出して組み合わせると、新たな文脈が現れる…と書いたところで、残念ながら本作の面白みはあまり伝わらない気がする。そう、本作は『CD』というパッケージメディアに付随する(ちょっと特殊な)歌詞カードを読みながら聴くことで、初めてその全貌がわかるというなんとも摩訶不思議な作品なのだ。もちろん、「音源フォーマットはCDが1番!」という作品ではなく、CDにはCDの、配信には配信の良さがあるわけで、本作を音のみで楽しんでもらっても一