ブックマーク / tthatener.hatenablog.com (10)

  • 頑張ってる途中 - スウィーテスト多忙な日々

    信じられないことに、もう一年の半分が終わってしまう。 信じられない。 生きていれば時間は勝手に過ぎていくから、それは当たり前のことなんだけれど、やっぱりどうしても「そりゃちょっと早すぎだよ」と焦ってしまう。 元旦に生まれた子供はもう歯が生え始めて、離乳べ、早ければハイハイをし始めるらしい。さらに数か月経つと、言語を理解して、なんと自ら喋り出すというのだから恐ろしい。地球が赤ちゃんに乗っ取られる日もそう遠くないのかもしれない。 そうやって、赤ちゃんが着々と侵略の地図を描いている中で、私自身は同じように成長できているんだろうか。できていないとしたら大問題だ。 人間はそれぞれ個々に、活動期限が決まっているらしい。それが五十年後の人もいるし、二十六分後の人もいる。私は九十二歳と十一か月が期限らしいので、九十三歳の瞬間に鳴る祝福の鐘を聞くことはできない。 単純計算で、今までの人生をあと二回生き

    頑張ってる途中 - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/06/29
    金城が言うならそうなんでしょうね。92まで行けたらGOODですね~~
  • 決戦は金曜日 - スウィーテスト多忙な日々

    刈りはまだ終わっていない。 洗濯物を干しながら、私の視線は十メートル先の塀の外に向いている。 鈍い色の空を背景に、高く伸びた竹がゆらゆらと風に揺れる。そしてその竹から、次の宿主を探すように長く伸びたツルがぶらりと垂れ下がっている。 二週間前にとりあえずの終末を迎えた緑との攻防は、実はまだ完結していない。前回はただ自陣内を刈っただけで、その外では未だに侵略者たちがその触手をジリジリと伸ばし続けている。 ここは俺達のモノなんだ。当の侵略者はキミだろう? 深みや形の違うたくさんの緑が、突風の力を借りてざわざわと騒いだ。 やつらも、撤退するつもりは毛頭ないらしい。 お別れは済ませてあるかい? 私は物置からギラリと光る新品の鎌を取り出した。 路地に出ると、手始めに、塀から溢れたしぶといツルを刈り取っていく。お目こぼしとなっていた、境界線上の脱走兵だ。 今の時代、鎌を持った男というのはそれだけで通報

    決戦は金曜日 - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/06/14
    あはは! 完全にカマ野郎ですね!笑
  • やせたかなしいと書くとやなせたかしファンが見てくれそう - スウィーテスト多忙な日々

    私のスマートフォンには日課が二つある。 一つは毎日鳴るように設定したスケジュールアラーム。起床時間と睡眠時間、その他いくつかの時間を管理してくれている。 もう一つが、謎の通知音。 毎日朝の八時六分になると、「ピロリン」とiphoneデフォルトの通知音が鳴る。 一度徹底的に探してみたのだが、通知のマークはどこにも出ていないし、設定を開いてみても通知音だけ設定しているアプリなども見つからない。 困ったときの駆け込み寺でそれらしいキーワードを入力して検索してみても、それらしい結果は出てこなかった。 毎日必ず同じ時間に鳴るということは、そう鳴るように彼はいつかの約束を律儀に守り続けているということに違いない。私自身がデジタルデータになって飛び込めば、必ずどこかに【8:06(毎日)】と書かれたメモがあるはずなのだ。 あるいはもしかすると、「棚の裏側に繋がった五次元空間」からメッセージを送るジョセフ

    やせたかなしいと書くとやなせたかしファンが見てくれそう - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/06/10
    継続は力、とよく言いますが……とつさんは、本当によどみなく作品を生み出していて、見るたびに驚きます。自分がそういう点でよく失敗する方なので、なおさら思います。
  • 霜降り明星のラジオがちょう面白い。ポケットいっぱい。 - スウィーテスト多忙な日々

    ラジオを聴く人は恐らく少数派だと思うが、こんなに勿体ないことはないと思ってしまう。 芸人のラジオは面白い。 その中でも衝撃的なのは新進気鋭のコンビ、霜降り明星だ。 彼らはM-1グランプリで優勝し、R-1グランプリで優勝し、最近ではモノマネグランプリでも優勝したらしい。 私は正直、彼らが優勝を総取りするほど面白いと思ってはいなかった。完全に間違っていた。 今年から始まった「霜降り明星のオールナイトニッポン0」を冷やかし程度に聞いて、ぶったまげた。 すんごくすんごい面白さ。 なにせ笑いの手数が多い。超芸達者。トークもギャグも一級品で、そりゃ優勝も当然だわと納得させられる。 ラジコで聞いているのがバナナマン、有吉弘行、アルコアンドピース、和牛、ミキ、三四郎、ハライチ、四千頭身なのだが、どのラジオでも当然あまり面白くない、いわゆる「ハズレ回」というものがある。 例えばフリートークで風呂敷を広げまく

    霜降り明星のラジオがちょう面白い。ポケットいっぱい。 - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/05/23
    霜降り明星、M1のネタとても好きでした。ラジオも良いんですね~。私はオードリー派です。アルコアンドピースもめちゃくちゃおもしろいとよく聞きますね。
  • 満喫ゾンビ 前編 - スウィーテスト多忙な日々

    ペチャペチャ、ニチャニチャ チュッチュッチュッ マンガ喫茶というものは、事を注文するとニ・三時間だとか、あるいは無制限に雑誌を楽しむことができる。 Mangar(マンガー)にとってはとても助かる商売だ。 そういう、後長時間居座るシステムなので、自然と奴らに出会う機会が増える。いわゆるクチャラーというやつだ。 口の中で縄跳びをしているような、跳ねるようなリズムが耳に心地いい。悪い。 隣に座ったいかにも人畜無害といった容貌の男が、事を始めると突如ゾンビになってしまう。ごはんゾンビ。 彼らが未だに滅びていないのは、大した天敵がいないからだ。黙って指をくわえているヤツは、犠牲になるしかない。 奴らに正論は通じない。なにせゾンビ。 火炎放射器で焼き払えば一撃ではあるが、「事中以外は人間」という厄介な生態をしているので、一応人権がある。 では野放しにするしかないのか、と諦めることはない。 ムツ

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  • 怖いことするなよ。怖いから。 - スウィーテスト多忙な日々

    インターホンが鳴った。夜中に。 我が家のインターホンは壊れていて、ピンポンと鳴らない。 「ピン」の部分がどうにかなっているので、ボタンを押すと「ポン」だけが鳴るようになっている。 昨晩、というか日付で言うと今日、それが鳴った。 午前二時頃だ。 ベッドに仰向けになり入眠を待っていた私は、それが何の音か、すぐには理解できなかった。 ただ、確かに聞いた。 はじめは、やはり寝ぼけているのかと思う。ああ、せっかく眠れそうだったのに、と。 頭上の壁掛け時計は文字盤が蓄光するタイプだが、時間が経った今は真っ暗だ。仕方なくスマートフォンに手を伸ばす。 画面から入ってくる光量を減らそうと、なるべく薄目であがいてみる。どうにか時間が確認できた瞬間、もう一度音が鳴った。 「ポーン」 体がビクリと動いて、その振動で脳が高速回転した。 インターホンだ。 我が家の、壊れたインターホン。 二時だぞ。 こんな時間に尋ねて

    怖いことするなよ。怖いから。 - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/05/09
    インターホンの音のくだりに、妙なリアリティがあってよいですね。そういうの好みです。
  • 世にも奇妙な軽みと - スウィーテスト多忙な日々

    白い壁にもたれかかると、白が服に移った。 せっかくいい服を着てきたのに、最悪だ。 鞄からペットボトルとティッシュを取り出し、少し水で湿らせる。それをポンポンと服にあてて、様子を見る。 消えない。最悪だ。 ボトルを鞄に戻し、はぁ、とひとつため息をつく。 「どうしたぁ」 突然、声を掛けられた。 見ると、色黒で背の低い年配の男だった。元は真っ白だったであろう服は、今や見る影もなく黒ずんでいる。 私は人差し指で白壁をすっとなぞり、男に突き出した。 「これです」 「カルミトだなぁ」 男は間延びした声で言う。 カルミト? 初めて耳にする言葉だ。もし違う場面で聞いたなら、何かの薬だろうかと思うかもしない。 しかし、男は私の人差し指を見て言ったのだ。きっとこの現象のことを指しているに違いない。 「カルミト、ですか」 「不思議な話だよなぁ」 男は、重力に則って下ろした私の指を見つめ、「不思議だよなぁ」と繰り

    世にも奇妙な軽みと - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/05/07
    なるほど…! 最後のフレーズが好きですね。響きがよいです
  • こりゃ読む価値無いでほんまに - スウィーテスト多忙な日々

    今週のお題「特大ゴールデンウィークSP」 美味しいお肉がべたいと友達が言ったので、美味しいお肉をべに行きました。 サーロインのお寿司と、上タン塩と、上カルビと、上ロースのコースでした。 ピンク色のお肉にたくさんサシが入っていました。 どのお肉も柔らかくて、歯がいらないというのは当でした。 柔らかすぎてなんだか少し気持ちが悪かったです。 明日はバーベキューです。歯ごたえのあるお肉が楽しみです。

    こりゃ読む価値無いでほんまに - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/05/05
    分かります! 歯ごたえがある方が、私は好きですね~。「叙々苑」の名前にずっと憧れがあったのですが、「サシ入ってる系が中心だよ~」と友達に教えてもらってから、若干、二の足を踏んで、結局行けずじまいです
  • ジゴク・ウイーク - スウィーテスト多忙な日々

    車窓から見えたのは、おどろおどろしい一文だった。 「天国は永遠の命 地獄は火の海 聖書」 これを市民に見せつけて、一体何を思わせたいんだろう。 ゴールデンウィークが始まり、運良く天国と地獄へ行くことができた。 私はプリントした写真を手に、その真相を訊ねてみた。 微笑みをたたえた天使は優しく教える。 「そのままの意味です。天国は、苦しみも悩みも無い、永遠の命をもってあなたを迎えます」 「誰でも?」 「善行を重ねた者へ、天の国は許可を与えます」 私はかねてから気になっていた質問を繰り出した。 「みんなのために一人を殺すのと、一人のためにみんなを殺すのはどっちがいいんですか?」 天使は決まりきったことを教えるように話す。 「みんなを救いなさい。一人も含めたみんなを」 「そんなキャパオーバーなことすると、私が死んじゃいます!」 「イエス様もそうでした」天使はなつかしそうに言う。「神は愛です」 「自

    ジゴク・ウイーク - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/04/28
    こ、これで本当に天国に行かせてくれるんですね・・・!?
  • あなた!あなたに言ってるんですよ!こっち見なさい! - スウィーテスト多忙な日々

    奇策に打って出た。 外に出てから予定を考えるように、タイトルをつけてから文を書いてみることにした。 駄策だった。 考えてみると、外に出てから予定を考えたことなど無い。 一度もないのかと問われると、幼少期にはあったのかもしれないが、思い出せるかというと難しい。 驚くべきことだ。なんてつまらない野郎だ。 『外に出る』ということは無限の可能性を秘めているのに、私は今の今まで目的の為だけに行動を起こしていたらしい。 もちろん、外に出たことで何かを思い出し、ついでに用を済ませてしまうことはあるが、それとは全く話が違う。 これは一体どういうことだろう。 みしげーに尋ねた。みしげーとは沖縄の方言で『しゃもじ』のことで、あるいは古くなったしゃもじが変化した妖怪のことでもある。 我が家のみしげーはシリコン製だが、すでに妖怪に変化している。おませさんである。 「あんたは昔からそうだ。考えてから行動する。逆を

    あなた!あなたに言ってるんですよ!こっち見なさい! - スウィーテスト多忙な日々
    shiro_iruka
    shiro_iruka 2019/04/18
    なぜだろう。確実に面白いのですけれど、なにがどういう理屈で面白いのか解明できません。不思議な文章です。何回か咀嚼させていただきます。
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