信じられないことに、もう一年の半分が終わってしまう。 信じられない。 生きていれば時間は勝手に過ぎていくから、それは当たり前のことなんだけれど、やっぱりどうしても「そりゃちょっと早すぎだよ」と焦ってしまう。 元旦に生まれた子供はもう歯が生え始めて、離乳食を食べ、早ければハイハイをし始めるらしい。さらに数か月経つと、言語を理解して、なんと自ら喋り出すというのだから恐ろしい。地球が赤ちゃんに乗っ取られる日もそう遠くないのかもしれない。 そうやって、赤ちゃんが着々と侵略の地図を描いている中で、私自身は同じように成長できているんだろうか。できていないとしたら大問題だ。 人間はそれぞれ個々に、活動期限が決まっているらしい。それが五十年後の人もいるし、二十六分後の人もいる。私は九十二歳と十一か月が期限らしいので、九十三歳の瞬間に鳴る祝福の鐘を聞くことはできない。 単純計算で、今までの人生をあと二回生き