この世の終わりに踊る時も、きっと私を見ていてね。ダンサーの幸福は、踊れること。ダンサーの不幸は、いつか踊れなくなること――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフに、舞台を見る者と見られる者の抜き差しならない関係をロマンティックに描いた表題作をはじめ、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、物語に愛された作家の脳内を映しだす全十九編の万華鏡。 恩田 陸 (オンダ リク) 1964年、宮城県生まれ。早稲田大学卒。1992年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。ホラー、SF、ミステリなど、既存のジャンルにとらわれない独自の作品世界で多くのファンを魅了している。2005年に『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞と第2回本屋大賞を、2006年に『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞を、2007年に『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞ