ブックマーク / stillblue.ti-da.net (5)

  • マンハッタン・オプ

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 矢作 俊彦 販売元/出版社 ソフトバンククリエイティブ 発売日 2007-10-18 Amazon/楽天ブックス 『海から来たサムライ』を大幅改稿した『サムライ・ノングラータ』といい、著者の理想するところに最も近い形態となった『鉄塔 武蔵野線』といい、ソフトバンク文庫はなかなか素晴らしい仕事をしてくれているのだが、ここへもう一つ加わることとなったのが<マンハッタン・オプ>シリーズだ。 複数の出版社から出ていたものを再編集し、谷口ジローの挿絵もあわせて収録した全四巻。 一編が20ページにも満たない分量の中で一歩間違えればレイモンド・チ

    マンハッタン・オプ
  • 灰色の北壁

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 真保 裕一 販売元/出版社 講談社 発売日 2008-01 Amazon/楽天ブックス 『奇跡の人』を積読にしてしまって以来、なんとなく真保裕一から離れてしまっていたのだけれども、『ホワイトアウト』以来の山岳ミステリということで読んでみることにしてみた。 『ホワイトアウト』が山岳ミステリなのかどうかという問題はさておき、三編からなる短編集で、なおかつそれほど厚くないということが読んでみようと思った一番の理由なのだが。 ミステリといっても殺人事件が起こるわけではなく、どちらかといえば山岳小説といったほうが近いのだが、遭難した登山者を

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  • 妙なる技の乙女たち

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 小川 一水 販売元/出版社 ポプラ社 発売日 2008-02 Amazon/楽天ブックス 今まで小川一水の小説を読んできて、ある種のもどかしさを感じ続けてきていたのだけれども、ようやくやってくれたという感じだ。 小川一水の持っている健全さというものに対して、世の中そんなきれい事ばかりじゃねえよというような反発心があったのだが、もちろんそれは個人的な感情に過ぎないと同時にそれ故の自分自身のあきらめ感に対しての不満でもあったわけである。 だからこそ、そんな自分のふがいなさをぶん殴ってくれるような力強い健全さを期待していたのだ。 で、とう

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  • ナツメグの味

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 ジョン・コリア/ 販売元/出版社 河出書房新社 発売日 2007-11 Amazon/楽天ブックス 『千の脚を持つ男 怪物ホラー傑作選』に収録された「船から落ちた男」を読んで、ジョン・コリアに対するイメージががらりと変わったんだけれども、こちらを読んだら元通りになってしまった。 不気味な話だったり、バッドエンドな話だったりしてもジョン・コリア語る物語は明るく、けっして陰惨にならないのだ。 「夜だ!青春だ! パリだ! 見ろ、月も出てる!」なんかは殺人鬼のトランクケースの中に男女二人の人間が入り込むという非常に変な話なんだけれども、脳天

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  • 黄昏のベルリン

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 連城 三紀彦/ 販売元/出版社 文藝春秋 発売日 2007-10 Amazon/楽天ブックス 連城三紀彦がこのような話を書くとは思わなかったので、最期まで何かトリッキーなというか叙述トリックのような仕掛けがあるんじゃないのかと疑ってしまった。しかしそんな物はなく、最初から最後までまごうことない見事な謀略小説だった。 それにしても改行も空行もなく一つの文章の中で「──」だけ挟み込んで視点の切り替えが行われる第一部は慣れるまでにかなり苦労したのだけれども、慣れてくると非常に映像的な手法でなかなか楽しめる。 第二部になるとある程度は普通の

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