「耳すます部屋」 折原一・著 ミステリー短編集 叙述ミステリーの名手と言われる「折原一」の短編集です。 気をつけて、注意して、読んでいかないと・・作者の罠にはまります。え!そんな~~と、いう展開に驚きの連続です。 だまされてしまう快感もありますが、だまされないぞ!と注意深く読み進めても、作者の罠にはまってしまう悔しさもあります。 預かりたくない近所の小学生を預かって、とんでもない結末に向かってどんどん追い込まれていく主婦です。 読みながら主婦と、同じ気持ちになりますが・・少しづつ正常から異常へと、現実がずれ込んでいきます。 結末はどうなるのだろうかと、読み進めていくと・・いつの間にか非日常の罠にはまってしまいます。そのわずかづつずれていく怖さが「折原一」の作品の一番の特徴なのです。 この怖さを味わいたくて、次の作品に手を伸ばすのですが、心して読んでいてもまた作家の罠にはまってしまいます。一