自分が死んだら、弔ってくれる人はいるのか。「家族はいなくても、仲間がいるじゃないか」。ある僧侶の考えで、5年前に始まった日雇い労働者の街での取り組み。その輪は少しずつ広がり、いまを生きる希望にもつながっている。 「お迎えがいつ来てもいいとは思っていますが、なかなか逝けないものです」 日雇い労働者の街として知られる大阪・西成の釜ケ崎(あいりん地区)。その中心部にある西成市民館で1月中旬、男性(75)が今の心境を明かし、ぺこりと頭を下げた。「あと何年、生きられるか……。でも、『その時』がきたら、よろしくお願いします」 男性のそばに座って話を聞いていたのは、午後5時からの例会に集まってきた22人の男女。年齢は主に60~70代だ。新たに入会してきた仲間の短いあいさつが終わると、室内に温かい拍手が広がった。 「釜ケ崎見送りの会」。ひと月に100円の会費をおさめ、「亡くなった時に知らせてほしい人」「見