歴史ネタ中心の雑記帳です。 ※当サイトはリンクフリーですが、イラストデータの無断転載はご遠慮ください。 西南戦役(西南戦争)では、本来陸軍の兵員ではない警視官が、「警視隊」として官軍の一翼を担いました。「警視官」とは、当時の国家公務員たる警察官(内務省警視局の職員)のことです 。 現在、警視隊の活躍自体は一般にも知られていますが、誤解も多く、その実態が正確に伝わっているとはいいがたいところがあります。そこで本稿では、陸軍とは異なる経緯で発足した警察がどのように戦役を戦ったのかについて、あらためてその背景や実相を解説してみます。 ▼ (1) 近代警察制度の開始 維新直後、全国における治安警察業務は、藩兵や召募壮兵などのいわゆる軍警察によって担われていました。しかし、近代的な国軍整備の過程でそれらの解隊が進むと、過渡的な番人制度や邏卒制度などをへつつ、フランス警察を範とする近代的な文民警察の制