政府の統合イノベーション戦略推進会議は2019年3月29日、人工知能(AI)技術を活用できる人材を年間25万人育成する大胆な戦略案を取りまとめ、公表した。今夏に正式決定する。 有識者提案として公表された今回のAI戦略案は、政府がAI関連領域で直ちに実行すべき政策を提言したものだ。 数理・データサイエンス・AIをデジタル社会における「読み・書き・そろばん」に当たる素養と規定。年間約50万人が卒業する大学生や高等専門学校(高専)生全員に、文理を問わず初級レベルの数理・データサイエンス・AI教育を課す。このうち約25万人について、それぞれの専門分野でAIを応用できる人材に育成する。日本における大学・高専の理系学生のほぼ全てと文系の一部を「AI人材」に仕立てる考えだ。 現場のAI研究者にも衝撃の内容 この計画は、当のAI研究者にとっても衝撃的な内容だったようだ。はこだて未来大学の松原仁教授は、25