「買収防衛」とされるエステーによるフマキラーへの資本提携。しかし、エステーにとってもフマキラーと結ぶ必然がある。海外事業に強いフマキラーは「金の卵を産むニワトリ」に映る。 消臭芳香剤大手のエステーは13日、フマキラーとの資本・業務提携を発表した。6月4日付で第三者割当増資を引き受け、発行済み株式の15%強を握る筆頭株主に躍り出る。フマキラーが6月に開く定例株主総会で選任決議を得て、エステーは取締役1人を派遣することも予定している。 この動きをフマキラーの「買収防衛」と見る向きが多い。 現在、フマキラーの筆頭株主は競合大手のアース製薬。2006年前後から徐々に株式を買い進め、2008年に創業者一族の大下高明氏の持ち株を抜いて筆頭に躍り出た。今年3月31日時点の保有比率は12%弱に達した。 今回発表された提携は、昨年12月にフマキラーの大下一明社長からエステーの鈴木喬社長に打診したことから交渉