伝道句を尋ねて② 真宗大谷派 無碍光寺 松阪市黒田町の真宗大谷派「無碍光(むげこう)寺」の掲示板はいつも青々とした木々の緑に包まれている。そして、ご住職の瀧和孝さん(83)の筆になる伝道句も、毎回、抹香くさくなく、爽やかで分かりやすいものだ。 うぬぼれが 木の上からポタンと落ちた。 落ちたうぬぼれは いつのまにか また 木の上に登っている。 「分かりやすい」と書いたが、この詩、分かりやすいようで必ずしも分かりやすくはない。落ちたのに、なぜ、また木の上に付いているの。小鳥が舞い上がったわけでもないのに。 瀧さんの解説を聞くと、「うぬぼれはやめられない」ということ。だから、しっかり自分を戒めなければならない、ということのようだ。 瀧さんはまた、こうもおっしゃって笑った。絶妙は言い換えだった。 「うぬぼれは、『分かっちゃいるけど、止められない』の歌のようですね」 そういえば、松阪のどこかのお寺出