サッカー日本代表の試合当日――。ホテルを出発する前、ユニホームや練習道具などを確認する。試合が始まる3時間前にはスタジアムに入り、準備をする。試合が終わるといち早く荷物をトラックなどに運び、ロッカールームを去る。勝利した喜びに浸ることも、選手と感動を分かち合うこともない。気持ちを切り替えて、すぐに移動し、次の仕事に取りかかる。日の当たらない仕事だ。だが、麻生英雄(43)は楽しそうに、その仕事を21年間続けている。(ライター・佐藤俊 撮影・ヤナガワゴーッ!/Yahoo!ニュース 特集編集部) 麻生英雄が務める「キットマネジャー」は、サッカー日本代表が練習・試合をするうえでの道具を用意・管理するのが主な仕事だ。一言でいうと裏方に徹する「なんでも屋」である。日本代表のスケジュールが出ると麻生は、コンビを組む山根威信とともに合宿がスタートする数日前に倉庫に行き、ウェアなどをそろえる準備をする。練習