10月25日、核兵器禁止条約の発効が確実となった。核なき世界への実現に向けた千里の道のりが一歩ほど前進した。実際の効果は限定的で現実は何も変わらないと識者は見ていて、そして、口をつぐんでいるのではないか。ある種の高揚感にあえて水を差す必要もあるまい。 「核をめぐる現実は、そんな絵空事じゃねえんだ。」大物政治家が、そう吐き捨てた本音を隠して、ツイッターにこう書き込む。「我が国には独自の歴史と世界との協調関係がある。現実的な手段を用いながら核なき世界を実現することを国民の皆様にお約束する。」 かく言う私自身が醒めつつ、この報せを聞いている。核兵器禁止条約に批准しないことはむしろ、現実的に核を削減するという観点からは正しいと考える。しかし否定しきれない一つの感情ー我が国の存在意義の軽さ。テレビでは一個人が日本という国に対してハッキリと「情けない」と言っていた。それを勇気ある発言だと感じる私は傍観