プログラマが尊敬され高い給与を得るためにはどうしたらよいか。飲み会などでそんな話になることがある。私の答えは明快だが甘くない。 プログラマの地位を確実に高めるための手段がひとつある。結果的にプログラマの参入障壁が高まるような変化を起こせばよい。 もともとプログラミングの仕事はスキルや適性が求められるものだったのだが、IDEの発展や分業化の進展にともなって、それらが求められない(または求められなさそうに見える)コーディング作業が大量に切り出されるようになった。これが良くも悪くも業界への労働力の大量参入を許し、技術者の多くが安月給の過重労働にあえぐ状況が生まれた。 その「工数地獄」とでも呼べる状況を、経営者のサクシュだの技術軽視の風潮が生んだものだとみなす考え方は、完全な間違いとはいえないにせよ短絡すぎる。ようするに、参入障壁が低い仕事は社会で尊敬され高給を得る職業にはなりにくいだけの話だ。