夜道にぽつんと灯る明かり。遅くまで仕事をして帰ってきた堀越二郎は、その明かりに近づいていく。明かりの先は、駄菓子とパンを商う店。二郎は「シベリアを2つおくれ」と言う。それを聞いて店主は、パンの間に黒いものを挟んだサンドイッチ状の三角形のものを新聞紙に包んで渡す――。 これは、2013年7月に封切りになった宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」の1シーンだ。主人公の二郎が買ったこの「シベリア」なるお菓子らしきもの。それがいったい何物なのかとちょっとした話題になっている。 実は私は、この映画を見たときに「あ、あのシベリアだ!」と思った。というのも、本連載で前にメロンパンを調べていたときに、雑誌記事に懐かしのパンとしてシベリアが出てきたからだ。 そこには、カステラもしくはスポンジ生地に羊羹を挟んだもので、日本人が考案したものといった解説があった。いかにも昔の人が考えそうな組み合わせの菓子パンだなあと記憶
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