たまたま、金沢文圃閣の広報(?)誌(紙)、『文献継承』の第11号(2008年2月発行)を入手。小林昌樹「今によみがえる林靖一(1894-1955)−日本における開架の本当の始祖」(p.1-5)を読んだ。えらく、面白かった。 盗難があることを前提とした「持続可能な開架」という課題に戦前取り組んでいた林靖一の業績について簡単に紹介しつつ、なぜその業績が忘れられたのかを(そして、それでもなお、林の系譜は戦後の資料保存論につながっていることを)語った小文。戦前の図書館人による蓄積を、戦前だから、という理由で切り捨てることが、いかに愚かなことかが、しみじみとよくわかる。 林という人は、理想を追いつつも、現実の法制度の中で実在するリスクをどう扱って行くのか、という問題に正面から取り組んだ人なんだなあ。爪の垢が残ってたら、煎じて飲みたい感じ。
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