図1 導電性高分子とTiO2を複合化 導電性高分子とTiO2(二酸化チタン)の複合電極の外観(a)と電子顕微鏡写真(b)である。(a)の電極の寸法は約6cm×2cm、膜圧は20μmである。出典:鹿児島大学工学部電気電子工学科 堀江・野見山研究室の資料を基に本誌が作成 「太陽光で発電しつつ、それと同時に電力を蓄える」――。そんな新たなコンセプトに基づいた、「光蓄電池」と呼ぶ新構造が登場した。鹿児島大学が開発を進めているもので、電極材料に導電性高分子とTiO2(二酸化チタン)を組み合わせることで実現した。採用した導電性高分子は電子を蓄える性質を備える。一方、TiO2は、太陽光(紫外光)を照射することで電子を放出する。従って、これらを組み合わせれば、光を照射することで「発電」し、同時にそれを「蓄電」する構造が得られるというわけだ。 もっとも、高い電力変換効率を得るには、発電と蓄電の各部分