普通の時間に起きて、筋トレをした。 ――この調子なら、そろそろ、お外にランニングに出ていけるかもしれない。 今週末あたり――お邸(やしき)の近所を走ってみようかしら。 × × × シャワーを浴びた。 アツマくんとあすかちゃんが作っておいてくれた朝ごはんを食べた。 当然の流れで、食後のホットコーヒーを飲む。 ……わたし専用のマグカップを両手で持ちながら、考える。 ……利比古のことを、だ。 今月は、利比古の通う桐原高校で、学校祭が催される。 学校祭で盛り上がるのはいいんだけど、もう高3の秋。 受験シーズンも、到来しているのだ。 『ここらへんの大学を受けたい』と、直接言ってきたことはある。 その後、第一志望校が固まったかどうかは、知らない。 わたしがわたしのことで精一杯だったから。 不調で、余裕がなくて、弟のことまで気が回らなかった。 「姉なのに……ね。」 マグカップを両手で持ち上げて、ひとり呟