会計基準の変更で、会社の売り上げが半減してしまう可能性がある――。多くの会計士や企業コンサルタントは、口々にこう指摘する。 企業関係者にとって、にわかには信じたくない話だ。しかし実はこれ、ケースによってはあり得ない話でもないという。 理由は、2015年、または2016年に強制適用が始まるIFRS(国際会計基準)における「収益認識」が、日本の認識とかなり異なるからだ。収益認識とは、平たく言えば「どのような要件が満たされたときに収益を計上できるか」という、会計処理上のコンセプトである。 もし、従来の収益認識が「国際基準に適していない」と判断されれば、収益として認められなくなる要件が増える恐れがあるのだ。 日本では、売上高(主な営業活動によって得た収益)を何より重視する経営者が、諸外国と比べていまだに多いと言われる。業態による違いもあるが、歴史の古い企業の中には、昔から「売り上げ至上主義」が企業