自分とは正反対の存在と思っている人からの助言が、道を開かせることがある。 石川遼がそんな体験をしたのは、昨年からこの秋にかけてのことだった。 ちょうど1年前の日本ツアー・三井住友VISA太平洋マスターズ。過去2勝を収めてきた富士山麓の太平洋クラブ御殿場コースで、石川は思いもよらぬ時間を過ごした。 予選ラウンドのプレーを終え、クラブハウスに引き上げた頃。当時エースキャディを務めていたサイモン・クラークが急ぎ足で近づいてきた。 「バッバが、呼んでる」 2日間、同じ組でプレーしたばかりのバッバ・ワトソンである。マスターズを2012年、2014年と2度制した稀代のロングヒッター。招待選手として9年ぶりの来日を果たしたレフティから“呼び出し”を受けたのだった。 ワトソンは、通訳を買って出ようとしたクラークを「いいや、彼は英語も分かるから大丈夫。おれはリョウと直接話したい」と制し、石川とのマンツーマン
![「スイングのことだけ考えてないか?」バッバが石川遼と2人だけで話した内容。(桂川洋一)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/16f64fb8cd2092fa214a2190602ae3d905fcaf45/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2F2%2F-%2Fimg_12eedcd1aee6cbdb32a4bff6ecfc49c269385.jpg)