「雇用を維持するためには~」「雇用維持が一番大事~」「雇用維持ができなくなる~」etc.etc.。この数日間、タコを通り過ぎて耳にイカができるほど、「雇用維持」という言葉を聞かされている。 そう。最低賃金を巡る長時間の攻防である。 労働組合側が賃上げの継続を求めたのに対し、経営者側は凍結を主張。33時間に及ぶ協議の結果、2020年度の最低賃金は、事実上据え置きで決着した。 報道によると、小委員会に参考資料として提出された経済指標は、景気の落ち込みを示す内容だらけだったが、6月の賃金改定状況調査の結果は、前年同月比1.2%上昇していたという。日本労働組合総連合会の神津里季生会長は「上がっているじゃないか!」と声をあげるも、経営側が歩み寄ることはなかった。 もっとも、4月9日の時点で日本商工会議所が、「最低賃金は4年連続で3%台の大幅引き上げが続き、賃金引き上げを余儀なくされた企業は4割超(1