「工学離れ」に早く手を打たなければならない。 日本では、大学入学試験における工学部への志願者は、ピークの1992年度に延べ人数で62万人に達したが、その後急速に減少し、2007年度は6割減の27万人に落ちた。企業の人員削減の悪影響があるとされる。1990年代の不況の中で、大学の教育現場は荒廃。学生が集まらない旧来の学科の多くが消滅して、カタカナと漢字交じりの新しい学科へと再編された。 若者がモノ作りの現場に入ってこず、教育現場も力を削がれている。日本の製造業の担い手不足は、日本メーカーの国際競争力の減退に直結する問題と言える。 日経ビジネス誌8月18日号特集「さらば工学部 6・3・3・4年制を突き破れ」の連動インタビューシリーズの第1回では、2001年から始まった第2期科学技術基本計画の策定に携わった、東レの前田勝之助名誉会長に、危機意識と課題解決のためになすべきことを聞いた。 前田勝之助