4月10日に2万円を突破、トヨタなど好調企業も目立つ。それなのに「実感」は薄い……〔PHOTO〕gettyimages 大台の株価2万円を突破したものの、その後は膠着状態が続く。期待と不安が渦巻く株式相場同様に、日本経済にも楽観と悲観が入り混じる。まさに混迷の時代。未来を読み解くキーを探った。 日銀本店の会議室で 4月13日、東京・日本橋の日本銀行本店に幹部たちがズラリと顔をそろえた。 普段は全国に散らばる支店長らがこの日は本店に一堂に会して、「春の支店長会議」が開催されていた。 あまり知られていないが、日銀の各支店行員らは地元企業を回り、景気や経済の動向をつぶさに調査している。 「会えない社長はいない」(支店長OB)というほどに、地元財界との太いパイプを持つ日銀マンが集める情報は、ほかのどんな調査機関が集めるそれよりも確度の高い一級品といわれる。 そんな貴重な情報を集約するために、日銀は