米国の評論家ロバート・パーカー氏が、「ワイン・アドヴォケイト」の株式の大半を、シンガポールの投資家に売却した。100点方式による自主独立の評論で、最大の影響力を誇るメディアの経営者交代が、世界ワイン界の注目を集めている。 ワイン・アドヴォケイトは1978年に、弁護士だったパーカー氏が創刊。消費者運動家ラルフ・ネーダーを手本に、広告をとらない自主独立のワイン評論をニュースレターとウェブサイトで展開。パーカー氏が専門のボルドーとローヌを担当し、複数のライターが各国のワインを100点満点方式で評論している。定期購読者は5万人と多くないが、影響力は強大で、市場価格を左右している。 今回の売却は、パーカー氏が数年前から模索していたもの。発行人として経営もみる立場から離れて、執筆に専念したいという希望と、資本の増強によって編集機能を強化する狙いがある。 「パーカー氏はワイン・アドヴォケイトの経営に、時