熊本地震で熊本県益城町役場南側の住宅街に犠牲者が集中した原因の一つとして、本震を起こした布田川(ふたがわ)断層帯から枝分かれする分岐断層約5キロを挙げる声が強まっている。25日、千葉市であった日本地球惑星科学連合の学会発表でも複数の研究者が指摘した。今後の地震防災では活断層の本線だけでなく分岐断層への備えも鍵となりそうだ。 学会で京都大の川瀬博教授(地震工学)は現地調査を踏まえ「分岐断層の動き(横ずれ)で生じた数十センチの地割れが、益城町の建物被害を広げた要因の一つとなった」と報告した。 益城町では23日現在、町内全建物の83%に当たる約1万5千棟に被害(一部損壊を含む)が出ている。理由として(1)強い地震波(2)地盤の緩さ(3)建物の古さ-が注目されたが、町中心部はどこも似た条件で、役場南側(宮園地区など)の東西約2キロで倒壊が多かったことへの説明はつかなかった。 熊本地震前震のマ