人類が1万年、10万年先も生き延びるために、夜の来ない宇宙で天候や昼夜に左右されず太陽光発電をする――そんな壮大な計画に挑戦している学者がいる。京都大学生存圏研究所の教授で、経済産業省委託事業太陽光発電無線送受電技術委員会委員長も務める篠原真毅氏だ。 篠原教授が挑戦しているのは、宇宙に太陽光発電衛星(SPS=Solar Power Satellite)を打ち上げ、発電した電気をマイクロ波に変換し地上に伝送して利用するというもの。衛星1基あたりの発電規模は原発1基に相当する100万kWで、そのパネルの大きさは2km四方というから、ゴルフ場がすっぽり入るような巨大な太陽電池を宇宙に浮かべることになる。 計画の根幹になるマイクロ波電力伝送技術は、篠原教授らがすでに確立済みだ。他の技術も巨大さゆえのさまざまな課題はあるものの、基本はクリアできている。経済産業省やJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、