「仕事に行き詰まったときはコンパを」。電子部品大手の京セラは、社内の連帯感を強めようと、ことあるごとにコンパを奨励している。平たくいえば“飲み会”だ。そのために本社12階に畳100枚を敷き詰めたコンパ専用ルームまで設けている。発案者は創業者の稲盛和夫名誉会長。同社が世界的な企業に成長したカゲには、酒を飲みながら本音をぶつけあうという、いってみれば極めて単純で“人間くさい”行為がある。 「これほど本音を出せる場所は他にありません」。京セラのある社員は社内コンパについてこう語る。 本社の12階フロア。ここに他の“オフィス”とは雰囲気を異にする約100畳の和室がある。100人以上が座れるこの部屋がコンパルーム。創業以来の“伝統”である社内コンパの舞台だ。 そもそものきっかけは、創業間もないころまでさかのぼる。当時、残業に次ぐ残業の日々が続き、ろくに息を抜く暇もない。見かねた稲盛氏は社員の労をね