1つ前のエントリーで実験科学に用いられる論理として、アブダクションの話をした(参考)。繰り返しになるが、アブダクションとは、1.仮説を立て、2. データを取り、3. 仮説との比較を繰り返すことによって、推論していく論理のことだ。 続く第二弾のエントリーでは、最初の仮説をどのようにして立てるのか、という話をしようと思う。ここは正直難しいところではあるし、うまく体系立てて書けるか不安なのだけど、生命科学研究のスタート地点を見つける手助けとして、「ティンバーゲンの4つのなぜ」を紹介したい。 「ティンバーゲンの4つのなぜ」とは? 「ティンバーゲンの4つのなぜ」はオランダの動物行動学者ニコ・ティンバーゲン(参考)にちなんで名付けられた、「なぜ生物がその機能を持つのか」という疑問に対する解答を4つの領域に分類したものだ。生物研究の4領域と言ってもいいかもしれない。 その4つの領域とは以下の通り。 至近