パラジウムの代わりにプラチナを自動車触媒に使った代替需要は、2023年は19.3トンと推定されているが、2024年には21.8トンに達する予測だ。我々の分析によると、この代替の逆(プラチナの代わりにパラジウム)には経済的な利点がない上にリスクも伴い、たとえ起こるとしても、それが広がるスピードは遅いと思われる。従って中期的な視点から見たプラチナの代替需要は、今の自動車需要の中にほぼ組み込まれていると考えて良いだろう。 プラチナとパラジウムはほぼ1対1の割合で代替できるため、ガソリン車で代替が始まったのは単純な経済的理由で、2017年以来パラジウム市場は供給不足にあったため価格が上昇し、プラチナの方が大幅に割安だったからだ。触媒の代替はほとんど全てが新型車で実施されるが、新型車はどの年でもマーケットの約15%しか占めず、代替需要がプラチナの年間需要に反映されるまでには時間がかかる。一度触媒の代