最近企業内で大きな問題として取り上げられている社員のメンタルヘルスについて、産業医と弁護士がそれぞれの立場でアドバイスをする。毎回、事例に基づいた相談内容を、管理者向けに解説する。前編は産業医のアドバイス。 某地方銀行で人事部長をしているCといいます。行員は2000人余りいて、支店は隣接する県まで分散しています。メンタルのケースが出るたびに健康保険組合の職員でもある保健師と共に私や労務を担当する部下が対応してきました。今まで、幸い会社のダメージになるような大きな問題のあるケースは出ていません。 バブル崩壊後の弊社の経営状態は厳しいものがありましたが、経費削減や要員の適正化で何とか乗り切ってきました。今後の見通しは決して甘くありませんが、特色のある金融サービスを展開し、地元と密着した形での発展を目指しています。 しかし、徐々にメンタル不調で見つかるケースが増えてきました。メンタル不調を持つ行