ステージⅣのがんの場合、5年生存率が10%を切ることも多い---つまり90%以上が死に至る。だが、「末期がん=死」ではない。そこから生還した人々には、奇跡を起こした理由があった。 手術をせずに助かった 進行舌がんを経験した道中俊弘さん(66歳・大阪府在住)が口の中に違和感を覚えたのは'08年の夏のこと。「舌の左奥にチクチクする痛みを感じた」という。口内炎だろうと放っていたが、そのうち食事を飲み込むのもつらくなり、夜も痛みで目が覚めてしまうようになった。検査を受けると、すでに頸部のリンパ節にも転移があり、病期はステージⅣa。がんのステージは4段階あり、Ⅳはもっとも進んだ状態だ(※)。 「どこの病院でも舌の3分の2を切らなあかんと。顎の骨もリンパ節も取る必要があると言われました。切った後は、食べられない、話せない、よだれが出っぱなしで、うまく飲み込めないからしょっちゅう誤嚥性肺炎を起こすことに