タモリと昨年亡くなった大橋巨泉氏との共通点を指摘する人も多い。二人ともジャズ畑出身。知識が豊富で、遊びの達人、名司会者でもある。だが巨泉氏が国政や社会について警告を発し続けたのとは違い、タモリにはどこか世間を達観しているような部分がある。 それは、タモリが「他人に期待していない」からかもしれない。タモリはインタビューで「他人に期待などしなければ、つまらないことで感情的にならずにすむ。そうすれば人間関係に波風も立たなくなり、円満にだれとでも付き合える」と語っている。 『タモリ伝』の著者である片田直久氏は、こう分析する。 「元々早稲田大学でジャズをやっていたのも影響していると思う。本当は熱いんだけど、それを押し付けがましく見せない。一種のダンディズムを感じます。決して力まず、ジャズらしい脱力感を大切にしている」 「やる気のあるものは去れ」――これはタモリが、ニッポン放送の新年行事でスタッフに向