一年ほど前まで、私は総合病院で、アトピー性皮膚炎を中心としたステロイド依存症に陥った皮膚疾患の患者の、離脱を助ける仕事をしてきました。 未開拓の分野で、数多くの患者が全国から集まってきました。症例が蓄積され、十分な説得力を持つと考えられた時点で、まずは患者向けに「ステロイド依存―ステロイドをやめたいアトピー性皮膚炎患者のために:つげ書房新社」を1999年に出版し、次いで翌2000年に皮膚科を中心とした、医師向けに「アトピー性皮膚炎とステロイド離脱:医歯薬出版」を著しました。 前者は、ステロイド依存に陥り、自分がどんな状況にあるのか、判らなくなってしまった患者の道しるべのために、後者は、この、皮膚科の抱える不良債権のような問題を、皮膚科医全体で手分けして解決していこうじゃないかという呼びかけのためでした。 前者は、それを手にした一部の患者たちの役にたったようです。それまでは「ステロイド