がっちりしたスニーカーから飛び出たワイヤに、生地に埋め込まれた回路基板。その魔法のような機能を嬉々として見せてくれる人物が、ヨレヨレの白衣と、くしゃくしゃの白髪だったら、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクそのものだったかもしれない。 しかし、ティファニー・ビアーズ(37)は、笑顔の美しいナイキのシニアイノベーターだ。オレゴン州ポートランドにあるナイキ本社の極秘ラボ「イノベーションキッチン」でエンジニアとして働いている。直訳すると、イノベーションキッチンとは「発明の台所」。創業者の1人であるビル・バウワーマンが、自宅からワッフルメーカーを持ってきて、画期的な「ワッフルソール」を開発したのが由来となっている。 ただし、イノベーションキッチンにあるビアーズのオフィスは、極秘プロジェクトのプロトタイプやデザイン画が散らかっているとかで、今回の取材は不可。代わりに図工室とライブラリーとミー
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