C・ロナウド(白)と競り合うガットゥーゾ。相手エースをつぶす激しい守備で世界の頂点に登りつめた【Getty Images】 ポゼッション率などの数字が頻繁に語られる昨今のサッカー界にあって、いわゆる数値化が選手の能力を量る指針ともされる今日だが、彼こそまさに文字通りの記録ではなく「記憶に残る選手」。いや、この場合は選手というよりは「男」と書くべきか。そもそも、本稿では「去りゆくスターたち」を取り上げるのだが、やはりこの手の話になるとどうしても始まりはやや悲しげで懐古趣味的な言葉が並んだりしそうなので、敢えて下手な前文は書かずにおきたいと思う。 と、いうわけで、まず冒頭に挙げるのはこの男。ジェンナーロ・ガットゥーゾ。 その功績と力のほどは決して数字では表し得ない選手である。あえて昨今の風潮に倣ってデータなるものを調べてみても、パスの成功率にしろシュートの精度にしろ何にしろ実際には数値とし