標準化の背景 日本語書籍における組版規則は、日本語表現と出版文化形成に大きな役割を果たしている。欧米の書籍と比較すればわかるように、縦組み、ルビなどの日本語特有の組版規則、多数の文字、さらに多様なフォントなど、いくつもの特徴を有している。その結果、日本語の電子書籍の制作においては、手間とコストがかかる傾向にある。 一方で、「電子書籍元年」と呼ばれる熱狂的な電子書籍ブームの到来である。先頃開催された東京国際ブックフェア(東京ビックサイト、7月7~10日)では、過去最高の来場者となり、中でも電子出版関連のコーナーに多くの見学者が押し寄せることとなった。 日本での電子書籍市場は、574億円(インプレスR&D「電子書籍ビジネス調査報告書2010」)となり、出版市場(1兆9356億円)に対して3%程度と十分な市場を形成するに至った。2010年後半には、日本語対応電子書籍端末の販売が予想されており、さ