東日本大震災から1年と半年が経過しました。震災からの復旧・復興についての報道が少なくなるなか、引き続き、被災した現地では、様々なところで懸命な取り組みが行われています。 本「復興通信」の第1回では、岩手県陸前高田市の久保田副市長から、住宅問題が現下の最大の課題である点や、とはいえ事業がなかなか進まない背景、また、情報発信についての取り組みについてお話をいただきました。第2回の大船渡市の角田副市長からは、阪神・淡路大震災との差異や、中心市街地や地域医療の再生といった課題、東北とそれ以外の意識の格差についてお話をいただきました。本稿では、具体的な取り組みも含め、暮らしと産業の再建に向けた釜石市の今をお伝えできればと思います。 産業遺産と大自然の街に ガレキ撤去後の更地が広がる 釜石市は、陸前高田市・大船渡市と同様に、岩手県の三陸沿岸に位置する地方都市です。今から150年以上前の江戸時代末期、日