【第1回】はこちらをご覧ください。 「発信力=表現力」ではない 以前、小学生向けの作文指導の本を読んで、愕然としました。そこに模範として書かれていた文章が、とんでもなく的外れだったからです。 日本の国語教育では、「表現力」や「感受性」が重視されていると感じます。「この時の、主人公の気持ちを述べよ」「筆者の気持ちとして、最も適切なものはどれか?」というような問題を、多くの方が目にしたことがあるでしょう。 ですが、考えてみてください。みなさんが社会に出て、一度でも「表現力豊かな文章」を書いたことがありますか? もっと言えば、表現力豊かな文章を求められたことがありますか? 会社で、買い物に行ったお店で、その他どこでも構いません。大人になってから、小説以外で、そのような文章を見たことがありますか? おそらく、ほとんどの方が「ない」でしょう。 これらの文章を書くのは、小説家、脚本やシナリオを書く人だ