「もの」としての日本絵画はさまざまな情報を含んでいる。材質・形状・画面の形、落款・表装・画賛など、目に見える構成要素から作品の真贋や来歴、制作年代などを知る、鑑賞と理解のための基礎知識。 〈目次〉 第一章作品を「見る」 一鑑賞のために 二糞をしたら 三排便の作法 四 「もの」史料と画証史料 五 『餓鬼草紙を見る 第二章作品とは? 一ホンモノであること──真贋問題 二代筆の含む問題──酒井抱一の場合 三 『宴遊日記』から 四将軍画像の制作──御用絵師の仕事 五共同制作の含む問題 第三章模倣と似せ物 一筆様を倣う 二鑑賞の場から──探幽評価 三古法眼・定家を蒐める 四雪舟を買う 五振舞の席で──雪舟を掛ける 第四章贋作をめぐって 一贋作者たち 二贋作を裸にする── 三贋作・模作・盗作 四狩野亨吉の提言 五調査ノートを見せよう 第五章作品という「もの」 一材質と形状 二さまざまの画面形式 三画面