『風流錦絵伊勢物語』第9段「東下り」、隅田川の景。絵師は勝川春章。明和7年-安永2年(1770-1773年)[1]の浮世絵。この場面と和歌については注釈[注 1]で解説する。 『伊勢物語』(いせ ものがたり)とは、平安時代に成立した日本の歌物語[2][3][4][5][6][7][8]。全1巻。平安時代初期に実在した貴族である在原業平を思わせる男を主人公とした和歌にまつわる短編歌物語集で[6]、主人公の恋愛を中心とする一代記的物語でもある[3][5]。主人公の名は明記されず、多くが「むかし、男(ありけり)」の冒頭句を持つ[2]ことでも知られる。作者不詳。平安時代のうちの具体的な成立年代も不詳で、初期、西暦900年前後[8]、前期[4][7][8]、(現在のような形になったのが)中期[3][5][6]などの説がある。名称については後述する。 『伊勢物語』は、『竹取物語』と並ぶ創成期の仮名文学