福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故が長期化する中、東京電力のあり方が焦点になってきた。 兆円単位に及ぶとみられる被災者への補償負担を考えれば、東京電力が自力で苦境を乗り越えられる可能性はほとんどない。いずれにせよ、政府の関与は避けられない。では、東京電力をどうすべきなのだろうか。問題点を整理しておきたい。 東電処理政策の目標として、とりあえず次の4点を考える。事故の再発防止、納得感がある補償、国民負担の最小化、電力の安定供給確保である。ほかにもあるだろうが、ひとまず措く。 まず、事故はなぜ起きたか。巨大な地震と津波という自然災害が直接の原因だが、そもそも原発の安全確保体制にも問題があった。 政府は原子力安全・保安院と原子力安全委員会という二本立てで原発の安全性を監視していた。前者は経済産業省の外局であり、後者は内閣府の審議会(+事務局)という位置づけである。 東電が天下り先の経産省に監視
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