北海道松前町沖の無人島・松前小島の物置から発電機を盗んだとして、北朝鮮の木造船の船長ら3人が窃盗容疑で逮捕された事件で、被害を受けた地元漁協などは25日、補償を申し出てきた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)側と同町役場で協議した。 しかし、船長らの刑罰を軽くするための嘆願書に署名を求められるなどしたことから、条件面で折り合えずに決裂した。 松前さくら漁協の佐藤正美組合長は記者会見で、「向こうの条件をのめなかった。法にのっとり、司法機関でしっかりと3人を裁いてほしい」と語った。朝鮮総連側は取材に応じていない。 漁協などは復旧費用を約790万円と算出しているが、関係者によると、朝鮮総連側は復旧費用の一部を補償する代わりに、嘆願書への署名を求めたという。協議には、佐藤組合長ら地元の3人と、朝鮮総連の意向を受けた弁護士1人が出席。約1時間にわたり、非公開で行われた。