愛知県で認知症男性が徘徊(はいかい)中に電車にはねられ死亡した事故で、最高裁は先月、家族の賠償責任を問わないという判決を出したね。高齢化社会の日本でこうした事故や裁判が起きるのはしようがないけど、親がやったことに対して子供にどこまで責任を取らせるのかを判断するのは難しかっただろうね。 ボクが理事長を務める高須病院では、認知症の患者さんが病院を抜け出て事故が起きないように、エレベーターのボタンやドアノブに一工夫を施してあるんだ。火災などが発生した場合に備えて、円滑に避難できるようにもしなきゃいけないから悩ましいんだけど、大切なことだからね。 ほかにも認知症の回復リハビリテーションや、認知症状態で介護が必要な患者さんを対象に、共同生活を通して自立向上をサポートするグループホーム高須などがある。家族のように患者さんに接することを信条としながらやっているよ。 自分の家にいた方が病院に入院するよりも